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真・まうんてんの宿屋

フィドル奏者 井上陽介のBlog。福岡近郊のパブに出現。なんか最近やきうネタ増えた。

ロストバゲッジ

荷物受け取り場はレーンがいくつもあるので、乗ってきた飛行機の荷物がどこかを電子掲示板で確認してからレーンに向かう。
長旅だったし、楽器は大丈夫だろうか…。そんな心配をしながら。

ブログ主がレーンに着いた時点でEU圏の人たちは殆ど入国審査を終えており、荷物もまばらにしかなかった。
荷物回収自体は国内線でもあるので何回か経験がある。レーンの場所さえ分かれば大して問題にはならない…ハズだった。

荷物はまばら。なので自分の荷物を見つけるのはそう難しいことではない。
…にも関わらず、自分の荷物が見当たらない。
少し心臓が速くなる。
レーンの周りを何回も廻って確認する。

…ない。

…見当たらない。


先程のおじさんに聞いてみる。
「あの、えーと…。荷物がないです…」

「え?ほんとに。ない?」

「ないです…」

「うーん、じゃあ他のレーンも全部確認して、それでもなかったら向こうにエアリンガスのカウンターがあるから相談してくるといいよ」

「はい…」

祈るような気持ちで他のレーンも全て確認するが、やはり荷物はない。
え?なにこれ?ロストバゲッジ?

海外で一人。頭が真っ白になりそうになるのを懸命に押さえて、エアリンガスのカウンターに行く。

「あの…、荷物が見つからないんです…」

ただでもテンパってるので聞き取りも大変。
要は、レーンが完全に止まるまで待って、それでも出て来なければもう一度来て、ということだった。
レーンに戻ったら止まってた。もちろん、荷物はないよ!

自分の英語力では交渉するのはかなりキツい。どうしよう…と思ってると。
「…ある?やっぱないだろう?」
「…カウンターに行ってくるから」
ふとそんな日本語が聞こえて、顔を上げると先程のおじさんとは別のおじさんがやはり荷物がなくて、奥さんと相談してるようだった。
どうしよう?相談してみようか?普段なら余裕で声をかけられるのだが、それもできないくらい既に心はポッキリ。
逡巡してると声をかけられた。
「あなたも荷物ないんでしょ?一緒に行きましょう」
捨てる神あれば拾う神あり。意味が合ってるかは分からないが、そんな言葉が思い浮かんだ。

先程のカウンターへ再び足を運ぶ。
「荷物がでてこないんだよ。私たちの分と、それから彼のものもない」
「私たちのはスーツケース一つ。彼のはスーツケースと楽器…ヴァイオリンだそうだ」
「何回も確認した。一番向こうのレーンでしょ?ないよ、やっぱり」

そこで連絡先などをメモして渡し、荷物の外見的な特徴(色、形など)を相手に伝える。
携帯は基本通じない。いや、現地の電波を使うことはできるが、割と高額な上に先程の感じだと電話がかかってきてもロクに対応はできまい。
奥さんが心配して下さる。
「楽器だとやっぱり心配でしょう?」

おじさんがフォローしてくれる。
「結構あるんだよこういうの。だいたいでてくるからそんなに心配いらんけど」

対応してくれたエアリンガスの兄ちゃんはトミーというどっかで聞いたことあるような気がする名前だった。
「まだ所在は確認できてない。でも心配しないで。ちゃんと探して、ホテルに届けるから」

「よろしく頼みます。セッションに出る為に持って来たんだ…」


そして、もうここでやることはない。それを確信して外に出る。外貨両替カウンターも閉まってたし。
まず、軍資金を確保しなければならない。両替か、ATMか。

両替カウンターはロビーで見つけたが誰もいない。ちくしょう適当な国め。
20分くらいフラフラ歩きまわった末にATMを発見。国際キャッシュカードで現金を引き出す。
喉も渇いていたので飲み物を買い、更に喫煙所を探してうろつく。
これまたうろうろした挙句、建物の外に喫煙所があることを発見。外に出る。

…。さみぃ。
いや、一応8月だよな?霧まで出ててひんやり。
半袖のTシャツだと本気で震えるレベル。
長袖は持ってきた。

持ってきたがスーツケースの中である。畜生。

落ち着いたら空港内に戻ってWiFiを拾ってインターネット接続。ロストバゲッジについて調べる。
割と頻繁にあること、だいたいの場合は戻ってくることを確認して深呼吸。
また、World Tracerというロストバゲッジの状態を追跡できるサイトがあることを確認。
バゲッジクレームタグの番号を入力すれば荷物の状態及び現在どこにあるかを確認できる。
もっとも、その場ではまだ「行方追跡中…」という段階だったのだが。既にバゲッジクレイムNoとメールアドレスが登録されているあたり、仕事は速い。

ん、メールアドレス…?

…。

…。

トミー!メルアド間違ってるよトミー!(血涙)

空港内の電話でトミーに連絡。メルアド間違ってることを必死こいて訴える。頼むよトミー!

トミーはホテルに行く手段は分かるか?と心配してくれる。大丈夫だよ、と返すが正直何も分からない。調べる気も起きないくらいのローテンションw空港内でバスを調べていくつもりだったが、もうタクシーを使うことにした。まずは休まなければ。
タクシーの運ちゃんはこわもてでビビる。ああ、やっぱ俺なんかが海外に出るなんて大それたことだったんだ。
ホテルに着くと強面の表情のまま「15.45ユーロ」と告げられる。ちょうど15ユーロあったので渡して、小銭を探してると「これでいい。サービスしとく」と言われる。強面の運ちゃん、いい人でした。ちょっとだけ心が休まる。
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