
今年に入ってから、「肩の調子がだいぶいい」「一軍で投げられるかもしれない」。そう報道されていたかつての大エース。
暗黒時代からホークスを応援している先輩は、「鷹のエースと言えば和己しか思い浮かばん」と言っていた。
「もし、復活したら俺は泣く」とも言っていた。
しかし、復活はならなかった。
1999年より始まったホークスの黄金時代。
それは、ブログ主の青春時代と時を同じくしている。ホークスのあのころを思い出す、というのは自分の青春時代を思い出すに等しい。
その黄金時代を語る上で、決して外すことのできないエース。
斉藤和己。
2006年のCSに敗れ、崩れ落ちる姿、そして肩を故障して第一線から退いた様は「悲劇のエース」「ガラスのエース」とも称される。
全盛期の球でなくともいい。一軍であの気迫を持ってピッチングする姿をもう一度見たかった。
悲しいとは言わない。そんな言葉を発するのは戦い抜いた男に対して失礼だと思うから。
ただ、引退セレモニーを見るかどうか。少し迷った。

秋山監督が、こんな優しい顔をしている。こんな表情を見たのは初めてかもしれない。
この表情を見た時に、言いようのない寂しさに襲われた。

小久保元キャプテンのサプライズでの登場。こらえきれずに涙する和己。
去年、今年と思い出の選手がユニフォームを脱いでいく。「あの頃」は確実に過去のものとなっていく。
どんなふうに、言葉にしたらいいのだろう。

ファンの声援に応えてグラウンドを一周する和己。その手に持っているのは藤井ハリー…。
背番号15が記されたユニフォームを目にした時、とうとうこらえきれなくなった。
きっと、天国から「お疲れさま」と言ってくれている。
きっと。きっと、そうだろう。
いつか、コーチとしてホークスに戻ってきてくれるかな。
そこまで求めるのは酷なのだろうか。でも、できれば…。
本当にお疲れさまでした。
ありがとう。鷹のエース、斉藤和己投手。

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