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真・まうんてんの宿屋

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ヴァイオリンとフィドルとロマ音楽とヴィブラートと(ry その3 フィドル編

その2はこちら→ヴァイオリンとフィドルとロマ音楽とヴィブラートと(ry その2 ロマ編

アイリッシュフィドルでは、基本的に1stポジションのみのシンプルな響きが好まれるしブログ主もそっちの方が基本的には「らしい」と思う。エアーではヴィブラートもかけるが、多用するわけではない。

だがケルティックウーマンなどはエアーを弾く時にハイポジションを使うことも多いし、ヴィブラートも比較的多用している。それは現代ヴァイオリン奏法を聴き慣れた聴衆に合わせた変化(進化?)だろう。
所謂「コア」な人たちに受け入れられるかは分からないが、ブログ主は結構好き。やりたい音楽、アピールしたい音楽とそういったテクニックが合致するなら使っても問題はないだろうと思う。

ケルティック・ウーマンの演奏する"Ashokan Farewell"。
アイリッシュの装飾であるカット、スライドを使う一方で、E線以外でもハイポジションを使っている(高音弦でローポジションで弾ける部分でも)。そしてヴィブラートもかける。ヴィブラートは手首でかけるものと腕でかけるものがあるが、映像を確認すると腕でかけているのである程度深くかける意図があるのだろう。ちなみにブログ主は腕ヴィブラートしかできまへん。
クラシカルな奏法を取り入れてはいるが、出てくる音楽は実に「ケルティック」だと思う。

以前もこの演奏を取り上げたことがあるが、かなり好きw
ポジションシフトの際にポルタメントがかけられているがそれがスライドのように聴こえるあたり、かなり戦略的にポジションチェンジを使っているように思える。




これは日本でも愛奏される"Inisheer"。ヴィブラートをかける音とかけない音は明確な区別がある。
メロディをオクターブ下で弾く時はやや深めにかけているが、それは音色を調整する意図があると思う。
シンプルな音色が「らしさ」を感じさせる。




アイルランドの愛国歌、"The Coulin"。老境に至るプレーヤーだがヴィブラートを比較的多用している。
この映像はオーストラリアのものなのけど、ねw

「アイリッシュフィドルにはヴィブラートはNo!」というのはよく言われることだが、今回動画を探しているうちにそれは古い価値観になりつつあるのかもしれないと感じた。クラシックの素養があるプレーヤーが増えたということなのだろうか。最もスチール弦が主流の現代ではヴィブラートなしで強奏するとキツい響きになるのも事実なのだが。それとも、ひょっとすると先入観で語られていたことに過ぎないのかもしれない。



これはブルーグラスフィドルだと思うが、チューンはアイリッシュでもやる(というか多分こっちが元祖)"St Anne's Reel"。

まずフィドルの構え方に驚かれる方も多いだろう。以前はこういうスタイルも普通に見られたようだ。
このスタイルではヴィブラートやポジションシフトはかなり難しいだろうと思っていたが、別の動画ではたまにだがポジションも飛んでいるし、長い時間ではないにしろヴィブラートもかけることがあった。
こういうスタイル故にヴィブラートやポジションシフトは多用しないのだろうと思っていたが考えを改める必要がありそうだ。
最も、長時間のヴィブラートや頻繁なシフトチェンジをするのは大変だろうとは思う。


正直、アイリッシュフィドルとヴィブラートの関係がちょっと分からなくなってきたw
これについては引き続き調べてみたいと思う。ただアイルランドではあまりエアーを聴く機会がなかったからなぁ…w

確実に言えるのは、決してcontinuous vibratoではないということだろう。
だが「アイリッシュはヴィブラートをかけない」と思いこむのも正しくはない、と思う。
アイリッシュは音程をピシッ!と合わせることが必ずしも美観に繋がるわけではない音楽なので(無茶苦茶な音程で弾いていいわけではない、念の為w)、実はクラシックより受け入れやすい土壌があるのかもしれない。


第二次大戦以前の演奏スタイルは音源があまり残っていない為どうしても文献資料に頼らざるを得ないのだろうが、民族音楽としてのヴァイオリン演奏史の研究が進めば昨今のヴィブラート論争にも新たな光が当たるかもしれない。
最終的にはヴィブラートの有無が演奏の良し悪しを決めるわけではないのだが、ピリオド演奏の隆盛で新鮮な演奏が増えたことを考えれば今後も期待したいと思う。


ぶっちゃけた話、こんなことを考えても楽器が上手くなるもんでもないんだけどorz話のネタとしてはけっこう興味深々。ここらへん突っ込んだ本とかないかな。
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