この企画もずいぶん忘れてましたが、PCで聴いてるとふと書きたくなったので
交響曲第2番 / シベリウス
パーヴォ・ベルグルンド / ヘルシンキ・フィルハーモニック
いわゆるご当地ものですが、巷に流れてるシベ2を想像して聴くとなんか違うかもしれない。これに比べると結構な数の演奏が重く、熱すぎる気がする。いや、後期ロマン派の流れをくむ大交響曲としてこの曲をとらえるなら決してそれは間違いではないだろう。「新世界」におけるカラヤンとノイマンの違いに近いのかもしれない。
結構、自分の周りにはシベリウスが苦手という人が多く、シベリウス好きとしては辛い思いをしてきたが、シベリウスが苦手という人にこそ聴いてほしい演奏かもしれない。
CDが手元にないのではっきりとは言えないが、ヴァンスカ指揮・ラハティ響の実演を聴いてみるとテンポ設定が非常に近かった。どちらもひやりとした手触りを感じさせる演奏だ。シベ2の方向性の一つとしてこういう方向があるんだろうし、個人的にはそれが非常に好みだ。
スコアを真面目に見てみると、シベリウスは結構ディナーミクを細かく指示していて、それを考えるといわゆる「爆演」というのはなんだかなぁ、と思ったりする。3楽章から4楽章へのアタッカ部分などはそういう点で有名だ。3楽章最後の小節の弦にはffと書いてある上にcresc.と書いてある上にAllargandoと書いてある。どんだけ盛り上げたいんだ。そんだけやっといて4楽章に入った瞬間、ディナーミクはfひとつに落ちる。金管はもともとfひとつだったのがmfに落ちる。プレイヤー的には何も考えてなきゃfff(f)くらいでなだれ込みたくなる個所だ。
(興味ある人はIMSLPにて探してみてください)
他にも4楽章練習番号Sの5小節目で木管のD-Durのコードを浮かび上がらせるために弦楽器をそれとなくmpに落とすところなど、自分のようなオラオラタイプにとっては結構な鬼門がパックリ口を開けて待っている曲である。
こういった曲の性格を考えると、このベルグルンドの演奏はとてもしっくりくるのだ。いや、こういう理屈抜きにしてこの演奏は素晴らしいのだ。第1楽章冒頭の弦楽器のテヌートはシンプルだけど暖かい。フィンランドの太陽の日差しはきっとこのようなものなんだろう。
行ったことないけどな。
まぁ、とにかく透明で美しい演奏です。シベリウス苦手なんて人は騙されたと思って聴いてくれると目からうろこが百枚くらい落ちると思いますが。てか、シベ7とかと比べても意外に名演に恵まれない印象がある、そんな曲です。
ああ、周りにシベリウス好きがいないのが悲しい。かつてシベ6とシベ7どっちがいいかで熱い論争を繰り広げたM君、ぼちぼち福岡に遊びにおいで。
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交響曲第2番 / シベリウス
パーヴォ・ベルグルンド / ヘルシンキ・フィルハーモニック
いわゆるご当地ものですが、巷に流れてるシベ2を想像して聴くとなんか違うかもしれない。これに比べると結構な数の演奏が重く、熱すぎる気がする。いや、後期ロマン派の流れをくむ大交響曲としてこの曲をとらえるなら決してそれは間違いではないだろう。「新世界」におけるカラヤンとノイマンの違いに近いのかもしれない。
結構、自分の周りにはシベリウスが苦手という人が多く、シベリウス好きとしては辛い思いをしてきたが、シベリウスが苦手という人にこそ聴いてほしい演奏かもしれない。
CDが手元にないのではっきりとは言えないが、ヴァンスカ指揮・ラハティ響の実演を聴いてみるとテンポ設定が非常に近かった。どちらもひやりとした手触りを感じさせる演奏だ。シベ2の方向性の一つとしてこういう方向があるんだろうし、個人的にはそれが非常に好みだ。
スコアを真面目に見てみると、シベリウスは結構ディナーミクを細かく指示していて、それを考えるといわゆる「爆演」というのはなんだかなぁ、と思ったりする。3楽章から4楽章へのアタッカ部分などはそういう点で有名だ。3楽章最後の小節の弦にはffと書いてある上にcresc.と書いてある上にAllargandoと書いてある。どんだけ盛り上げたいんだ。そんだけやっといて4楽章に入った瞬間、ディナーミクはfひとつに落ちる。金管はもともとfひとつだったのがmfに落ちる。プレイヤー的には何も考えてなきゃfff(f)くらいでなだれ込みたくなる個所だ。
(興味ある人はIMSLPにて探してみてください)
他にも4楽章練習番号Sの5小節目で木管のD-Durのコードを浮かび上がらせるために弦楽器をそれとなくmpに落とすところなど、自分のようなオラオラタイプにとっては結構な鬼門がパックリ口を開けて待っている曲である。
こういった曲の性格を考えると、このベルグルンドの演奏はとてもしっくりくるのだ。いや、こういう理屈抜きにしてこの演奏は素晴らしいのだ。第1楽章冒頭の弦楽器のテヌートはシンプルだけど暖かい。フィンランドの太陽の日差しはきっとこのようなものなんだろう。
行ったことないけどな。
まぁ、とにかく透明で美しい演奏です。シベリウス苦手なんて人は騙されたと思って聴いてくれると目からうろこが百枚くらい落ちると思いますが。てか、シベ7とかと比べても意外に名演に恵まれない印象がある、そんな曲です。
ああ、周りにシベリウス好きがいないのが悲しい。かつてシベ6とシベ7どっちがいいかで熱い論争を繰り広げたM君、ぼちぼち福岡に遊びにおいで。
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