真・まうんてんの宿屋

アイリッシュフィドルを演奏しています。福岡近郊のパブに出現。なんか最近やきうネタ増えた。

近代アイリッシュハープの光と影 その1

今日はあいれふにて日本ケルト教会主催のアイリッシュハープセミナーがありました。講師及び演奏は寺本圭佑さん。

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久々のあいれふ。前回は何しに来たっけと一瞬考えたけど、古楽音楽祭で寺神戸亮氏のワークショップがあったから見学に行ってたんだった。あの時は肩当てなしで演奏する姿を見て「弾きにくくないんだろうか?」とか考えてたけど、今はブログ主も立派に肩当てなしプレイヤーである。肩当て買いに行くのがめんどい、という発想がここまで続くとは我ながらあっぱれである。よく考えたらあの時は顎当ても付けてなかったような気がするけどどうだったっけ?顎当てもないってのはさすがに辛そうな気もする。

とか脱線しつつ。
まず、大きく分けてアイリッシュ・ハープというのは2種類あるようです。
まず、19世紀後半に途絶えてしまったアイリッシュ・ハープ。
特徴としては膝に乗るサイズであり、比較的シンプルな作りです。
弦は金属弦を用いており、クロマティック機構もありません。調性の違う曲を演奏する際はチューニングし直す必要があります。
音量は非常に小さく、割と楽器の近くでないと演奏をしっかり聴きとることはできません。

そして、20世紀に復興されたアイリッシュ・ハープ。こちらはネオ・アイリッシュ・ハープと呼ぶようです。
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間違った。

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右側が先述した19世紀まで続いたアイリッシュハープで、左側が20世紀に登場したネオ・アイリッシュハープです。今日我々がアイリッシュ・ハープと呼ぶのはこのネオ・アイリッシュハープと考えてよさそうです。
弦はガット、最近はナイロンを用いておりサイズも様々です。クラシックで使うようなグランド・ハープに近いサイズのものもあります(今回のは膝に乗せて演奏するサイズ)。
ネオ・アイリッシュハープはそれぞれの弦に対応したクロマティック・キーが搭載されており、それぞれの弦を半音上げることができます。これによって転調などに対応することが可能となり、楽器としてのポテンシャルはかなり高まったと言えます。
また弦も金属弦に比べるとメンテナンスしやすく、チューニングも狂いにくいそうです(もっともヴァイオリン等で使われる巻弦などに比べるとメンテナンス性は落ちます)。
音量も上がっており、大きなサイズのハープになるとパブでのセッション等にも耐えうる音量を出すことが可能となります。また、ダイナミクス・レンジが増えたことにより楽器の表現能力も上がっています。

こう書くと、ネオ・アイリッシュハープの方が至れり尽くせりな訳ですが、これがどうして旧来のアイリッシュ・ハープの音色もか細いながらも繊細で魅力的なものでした。講師の方がクラシックにおけるヴィオール属とヴァイオリン属の違いに例えてたのはブログ主には分かりやすかったです。音量や音色に対する要求に時代的なものが絡んでくる、というのは近代音楽が受けた洗礼ですが、アイリッシュ・ハープもまたその洗礼からは逃れられなかったのですね。

とは言え、金属弦を爪で弾くことによって得られる繊細な音色は非常に魅力的なものでした。クラシックも古楽器復興が行われているようにアイリッシュ音楽もこういった形で復興が進んでいくのかもしれません。
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